大震災などの災害時に活躍する簡易トイレにもさまざまな種類がありますが、実際に購入するにあたって特に気にしなければならないのが、大人数が集まることができる屋外などの場所で用を足す目的で使えるかどうかです。
トイレはプライベートな空間であるべき
大規模な災害時には被災地の建物も火災や倒壊などで使えない場合が多いほか、当然ですが水道や下水道なども機能していないため、簡易トイレでその場をしのぐほかありません。このような場合に遮るものがない屋外で用を足すのは、物理的には可能であったとしても心理的には困難というのが普通ですので、トイレを我慢してかえって被災者の健康状態の悪化をまねいてしまうことがあります。そこで簡単に設営ができて遮蔽(しゃへい)の機能を果たすものとして、簡易トイレとセットになったテントが注目されています。 メーカーによっても差がみられますが、あくまでも簡易トイレと一体の製品ですので、外見は縦に細長い三角形をした、簡易トイレがおさまる程度のコンパクトなつくりになっているのが特徴です。ワンタッチで設営ができるほか、チャックなどで入口を塞ぐことができるようになっていますので、扉が付いている通常の公衆トイレと同様に、他人から見られる心配がありません。製品によっては使用中などの札を前面に掛けておくスペースなどを持ったものもあります。 価格的にも一式のセットで数千円程度から購入できるようにしてありますので、都道府県や市町村の防災担当部局、地域の自治会、福祉施設などをはじめとする需要があります。もちろんこうした機関や団体ではなく、個人で大災害に備えてあらかじめ購入しておくこともでき、価格的にも手が届くレベルとなっていますので、検討の余地があるといえるでしょう。