9月は防災月間です。各地の行政でも様々な取り組みをし、自治体との連携を取られていると思います。そういう市民も、人まかせではいけない。今回は、注目されつつマンホールトイレのお話です。是非自治体の方にもご確認いただき、地域にあった備蓄を考えてほしいと思います。では、まずはマンホールトイレの特徴からお話していきたいと思います。
Contents
マンホールトイレとは
マンホールの上に簡易な便座やテントを設置し、排泄したものをそのまま下水道に流すというものです。災害時、すぐに設置できて、簡単に使用できることや、幅をとらずに備蓄することが可能なことから、他の簡易トイレや仮設トイレなどと同様にこのマンホールトイレの備蓄も進める自治体も多くあります。たくさんの人が住み、災害時にトイレの需要が増えるマンションでも、これを備蓄しようとする動きがみられます。
使用する前に、事前に確認すること
しかし、これを設置する際の下水道の環境や設計にも条件があります。マンホールトイレは、排泄したものをそのまま下水道に流すためきちんと下水道の下流に排泄物が流れていくことが重要です。きちんと流れていくには上流から水を流すか、下水道管が元々下流の方に傾いている必要があります。しかし多くのマンションの周りを流れる下水道は、ほとんどのものが傾きがなく水平です。そのため、排泄物を下流に流すための水源の確保が不可欠です。
マンホールトイレと水
もちろん、上流にあるマンホールから水を流しただけでは流れませんし、そもそも災害時に排泄物を流すためのたくさんの水なんて確保できません。そのため必要になるのは、排泄物を流すための水を備蓄しておく小さな施設です。災害が起こったあと、すぐに普段のトイレがつかえるようになる訳では無いので、とてもたくさんの水を備蓄しておく施設が必要です。災害時はこの施設から定期的に水を流し、排泄物を流します。しかし、やはりこの施設を作るにはコストがかかります。施設を作るかどうかは、マンション住民とよく話し合ってから決めた方がよいでしょう。もちろん、施設は作らないで水源を確保せず、排泄物が多少臭ったまま生活することも可能です。マンホールトイレをマンションに設置する方法はありますが、やはり設置する際のデメリットやマイナス面もきちんと踏まえた上で、マンションに住んでる方全員で話し合うことが必要だと思われます。